優雅な語らい
 

 その1つは花粉症対策。2人の娘が花粉症に悩まされたときに、父親が発想し、母親が制止せず、2人の娘が従った免疫型治療の試みだ。「お見事」と私は膝を打った。

 かつて私は、本当に社会が嫌になった時は、人里離れてところに移住しようと思い、妻にもその覚悟をさせていた。それが現実の話となり、妻がそこでこういう事態に追い込まれていたら、きっと私も「試みていたに違いない」方法だった。私には理にかなっている、と思われた。だが自己リスクを伴った治療だから、他の人には軽軽には勧めるわけにはいかないので、内容は割愛する。

 もう1つも似た話だ。この父娘は3人でフランスに招かれたことがある。かつて父親が訪れており、世話になったフランスの家庭から声を掛けられた。全費用を負担するから来仏し、「この前のように家事を手伝ってくれ」との要請であった。今は「2人の娘の世話もしている」「ならば娘も一緒に」となり、2週間の約束で出かけた。だが、その折に事件が生じた。

 この3人は、最初の1週間を闘病生活に割かざるを得なくなり、招かれた家族に看病してもらうはめになった。ここまでの話は、私は既に知っていた。ひどい腹痛であったようだが、その詳細をこのたび知るところとなり、「それはヨカッタ」と相槌を打った。

 阿部ファミリーは自然豊かな環境で、土にまみれになり、自生植物にも接したりする日々過ごしている。いわゆる優れた免疫力を身に着けている家族だ。その3人がフランスの郊外でひどい腹痛に見舞われたという。訪れた家族は、家畜も土足で自由に出入りする生活をしていた。そこで3人はそそくさと、いわゆる「水が合わない」と言われるような現象にさいなまれた。

 私は、自身のエジプトでの体験を思い出しながら、「それはよい体験をした」との意見を述べた。次代は、かつてのスペイン風邪などのようにパンデミックが大問題になりかねない。耐性菌による大問題だ。だから、親が子どもに授けておくべき大事な財産の1つとして、優れた免疫力を数えている。この免疫力の1つを2人の子どもに授ける良い機会であったように私は感じた。

 結局、その折のフランスでは、期待された家事手伝いは半分も出来なかったようだが、きっと相手も、それ以上の良き成果を得られたもの、と見ているに違いない、と私は思った。
 
 

 


 

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