妻は1日を要した
 

 この1カ月、妻のストレス発散はずいぶん進んだようだ。私がこしらえた100近くのネモフィラのポット苗で、シカとせめぎ合い、2日にわたって悪戦苦闘している。ことの発端は、この間にあって、妻が2~3時間かけて仕上げた作業をシカが食い荒し、台無しにしたことだ。これだけの話なら、むしろストレスを増大させたように感じられるが、妻は襲来したシカの足跡を見て「子連れだったのね」と目を細めている。これは、私をイライラさせたが、その分妻はストレスを発散していたのではないか、と思う。この顛末は後にまわす。

 このネモフィラ事件に次いで、中庭の手入れに妻は手を出し、半日を割いてクリスマスローズの花壇の掃除に当たった。そのかいあって、人形教室の生徒さんや、ご近所の友達などにクリスマスローズを随分愛でてもらい、悦に入っていた。女性は「花が好きなンだナー」と私は思い知らされた。冨美男さんに訪ねてもらえたら、私も観てもらおう、と思ったほどだ。

 シカとせめぎ合ったネモフィラは、一旦はかく仕立て上げられていた。だが、一晩シカよけのカバーを被せ忘れ、すっかり食べられてしまったために、2日がかりの作業になった。

 前日、まず妻は腐葉土を取り出すなどして6つの長鉢を用意し、根が伸びすぎたネモフィラの苗を仮植えした。いずれ円形花壇に植えるためだ。だが、ポット苗が半分以上余った。そこで、「まだ(抜き去るのは)かわいそうだけど」と詫びられながら、花盛りのパンジーを円形花壇から抜き去り、余ったネモフィラを植え付けた。そのネモフィラをシカにすっかり食べられてしまった。

 そこで、6つの長鉢に植えたばかりの苗を抜きとって、円形花壇を仕立て直した次第だ。要は、ネモフィラの苗が多すぎたために、余分な手間をかけてしまった次第。ちなみに、円形花壇から抜き去ったパンジーを、妻は空になった6つの長鉢に、植えていた。

 2度手間3度手間をさせられながら、妻は襲ったシカの足跡や糞の中に、「小さなのがありますね。子連れだったのね」と目を輝かせ、私をイライラさせたわけだ。



 

クリスマスローズの花壇
 

 


 

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