昼食にカップヌードル

 

 年に1度ぐらいはチキンラーメンを食したくて、チャンス到来を待つことにしている。いざという時のために、いつもチキンラーメン(日本初の即席麺)とカップヌードル(日本初のカップ付き即席面)を少し用意しており、チャンス到来時に「わが味覚の座標軸」点検と、ロングセラー食品の由縁探訪に供してきた。

 何年かに一度はサツマイモを育て、その葉柄を食すのもわが味覚点検の一環だ。

 今月は、ジャパニーズ(ウイスキー)が快挙をなし遂げたことを知り、妻の反対を押し切って「ブラック」を買ってもらい、久しぶりに「トリス」と飲み比べた。

 この「トリス」は、生涯最初のウイスキーで、学生アルバイトで得た金で(22歳ごろに)買い求めた。当時はトリスバーが展開され、ハイボールが流行っていた。TV-CMの「『トリス』を飲んでハワイに行こう」も人気があった。いつしか、この「トリス」を飲み残し、忘れ去っていた。

 生涯3度目の宿替え(最初は戦時中で、西宮から父方の伯母の家に母子で居候した疎開。次は敗戦の年で、結核の父があとを追ってきたが、伯母に放り出され、近所に強制移築物件が再建されたのを幸いに宿替えした。そして54年前の25歳の時。それまでの農地に私が自前で「終の棲」として造った家に移り住んだ。この移住)時に、この「トリス」を勉強部屋で見つけた。大事に取り置き、節目毎に(前回は朝ドラ「マッサン」時に)飲み比べてきた。

 妻は、この度の「ブラック」購入時も口癖の1つを持ち出し、反対した。わが家には世界の銘酒が何10本か溜まっている。初任給が3万円〜4万円の時代に、ジョニグロは市価1万円、ロイヤルサリュートは4万円だった。3本まで無税で持ち帰れるのをいいことに、溜め込んだ品だ。だから、ウイスキーやブランデーを買おうとすると、妻はこれを「全部飲み切ってから死んでくださいね」と念を押す。今回も迫られた。そこで、「洋酒好きの来客時に、1本ずつ封を切り、飲み切るようにする」と言うことで「ブラック」を買ってもらった。

 半世紀前の「トリス」を大事に取り置いておいてヨカッタ。隔世の感とは、こういうことを言うのだろう。

              

ブラック」を買ってもらい
 

 


 

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