午前の来客

 

  なぜかいつも節目、節目に、時間を決めて訪ねて下さる客がある。そのお1人を迎えてだべった。この人は、現総理こそ「売国奴」と呼ぶにふさわしい人は他にない、と言った。穏やかならぬ切り出しに、やや驚いたが、その訳を聴いて、得心した。

 「日本国は、米軍と行動を共にするときは、自衛隊の指揮権を米軍に委ねている」。だから歴代の内閣は集団的自衛権の行使を、憲法9条を盾にして、かたくなに容認してこなかった。

 現総理は、「米軍に、自衛隊の指揮権を委ねたまま」、憲法解釈を勝手に変えて、「集団的自衛権の行使容認」を押し通してしまった。これは、日本の軍備と自衛隊員を、米軍に差し出し、地球の裏がわにまででかけさせ、好きに使わせることになる。

 こうしたことに気づいたのだろうか、防衛大学の卒業生の中に、自衛隊への任官を避けた人がいる。現総理はその全員に、愛国心がないと見たようで、卒業式に参加させなかった。

 と同時に、現総理は共謀罪法を強行採決させた。それは、敗戦前は法改正をして、非国民、国賊、あげくのはては愛国心に欠けているという理由で目を付けた人を、好き勝手に逮捕し、密室で殺生与奪できるまでにしていった法の、いわば双生児の片方のごときである。

 自民党の公約の1つに、憲法改正が含まれていた。なるほど、憲法は改正すべき点が多々あるが、現総理のような人にそれをやらせて良いのか。いわんや、9条がその対象になっている。

 井上やすしは生前、憲法とは国家権力に対して国民が発する命令書、と喝破した。その命令書を、国家権力の長が変えると言うわけだが、この総理にあっては由々しき問題ではないか。「強盗に、刑法を変えると言わせているようなことになりはしないか」とおっしゃった。

 背筋に冷たいものが流れる思いをしながら、私は聞き流した。聞き流しながら、これでヨカッタんだ、と考えていた。と同時に、熟すがごとき時代を夢みながら晴耕雨読に努めようと考えた。

 このたびの選挙で、自民の得票は47%ほどだ。比例代表では3割強しか得ていない。だが74%の議席を得た。これはオカシイ。しかし私は、これでヨカッタと思っている。現政権が重ねてきた横暴やデタラメの付け回しはやがて露わになる。前回のように、野党がその引受手にならずに済んだのだから、と考えた。野党に前回の二の舞を引き受けさせずに済んだのだから。

 総理は年金基金を50兆円も増やした、と自慢げに叫んでいた。これも、北朝鮮の威嚇と同様に自作自演だ。年金基金の半分を株式に投じて株価を吊り上げ、その含み資産を誇示したに過ぎず、絵に描いた餅ではないか。禁じ手はやがて破たんする。一旦売りに出たら暴落する。だからこの間に、外国投資家の中に売り逃げた人はいないか、気になる。その暴落の引き受け手は誰か。どの政党か。

 こんなことを考えながら、お茶の時間にした。他にもっと、いやがうえにも興味を高ぶらせる記事にやがて気付かされる。


 
   
   

 

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