野菜の端境期

 

 先週、「これで、最後にします」と言って妻は摘んできた冬野菜の花芽を見せた。これは、「あとは種を採る分だけ残し、好きなように(冬野菜は)抜き去り、(夏野菜用の)畝に仕立て直してくださっても結構です」とのメッセージだ。つまり、冬の青菜のシーズンは終った、と同時に、黄色い菜の花畑とお別れすることも覚悟した、と妻が認めたことを意味している。

 この時期には2つの工夫が求められる。まず、夏野菜がふんだんに採れ始めるまでの間の野菜の調達をどうするか。自生のミツバも終盤だ。2つ目は、次シーズンの冬野菜を魅力的にするための準備や工夫のあり方であり、それは「種採り」の良し悪しの問題も問うている。

 昨年からノラボウナが加わり、この野菜はとても美味だし使い勝手もよさだけに、「種採り」にはひと工夫が求められることになった。つまり、ノラボウナは交雑しにくい品種であり、旺盛だし、ほどよい苦みが特色だから、「種(しゅ)」を守るだけでなく、交雑にも上手にかかわらせたい。かといって、アイトワ菜が総体的に苦みが強い野菜にはしたくない。

 目指す方向は、育てる野菜を、自家採種できる品種にしぼり込みながら、変化に富んだ味わいにすることだ。そのためには、アイトワ菜の交配が願い通りに進むように要配慮だ。

 そこで、次シーズンから、ミズナやミミブナだけでなくコマツナも、種を買ってまで育てないことにした。これまでにつくりあげたアイトワ菜とノラボウナがあれば、この3種はそだてるまでもない。とはいえ、アイトワ菜とノラボウナを主にすれば、アイトワ菜が次第に苦みが勝った品種になりかねない。それでは困る。そこで、甘味に富んだハクサイやナバナは種を買って育て、甘味から苦みまで味わいが均等にばらつくような交配が進むようにして、より魅力的なアイトワ菜をめざすことにした。

 もちろん、これらに加えて、ブロッコリーやキャベツは苗を買って、ダイコン、コウシンダイコン、ヒノナ、あるいはカブラなどの根菜は種を買って、育てたい。これらの血も混ざることで、アイトワ菜の魅力がよりふかまることだろう。

 こうした十字花野菜の他に、レタス、チマサンチェ、あるいはシュンギクなど別類の野菜もこれまで通りに育てたい。シュンギクやチマサンチェは今、種を結ぶ時期にある。

 次は、夏野菜がふんだんに採れ始めるまでのつなぎの問題だ。

 先週末に「収穫が始まりました」とスナップエンドウのシーズン入りを喜んだが、夏野菜の青菜として定番にしているモロヘイヤは苗を植えたばかりだし、ツルムラサキはまだ種もまいておらず、青菜は末期のチマサンチェや、「このところの雨でまた採れました」と妻を喜ばせた冬野菜の花芽に頼っている始末だ。つなぎはもっぱら、シーズンに入ったシュクコンソバ、フキ、セリ、あるいはタンポポなどの野草と、ウコギやタラなどの木の芽、あるいはニラに求めている。葉タマネギが採れ始めるのは、今年はもう少し先だ。
 

妻は摘んできた冬野菜の花芽を見せた

シュンギク
   

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