ありがたかった

 

 アリエさんは段々畑の最も高いところで、片手に花をつけたウコンの束を握り、微笑むようにして天に召されたという。

 その2週間前に、文子さんは里帰りをしており、2人で身辺整理もしたそうだ。それはアリエさんの様子が、文子さんにそうするように促した、という。まさにピンピンコロリであったわけだ。

 文子さんは「アリエさんは、仏壇の夫にウコンの花束を供えたくて」畑に来ていたのだろう、と語ったが、それはどうか、と私は。妻は、「ウコンの花束を手にして、夫に迎えてもらおうとしたのヨ」というが、私はこれに賛成だ。

 というのは、文子さんたちは(私が中座していた間に、妻の案内で庭の見学もして下さったが)見送りに出た時に、アリエさんはあねがね畑仕事中に天に召されたい、と文子さんから聞かされもした。


 


 


 

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