寄生虫の戦略
 

 例えば、カマキリの腹などに寄生するハリガネムシ。この虫は水中で寄生主から外に出て、繁殖活動に移行する。だから寄生された虫は、海や湖などに飛び込んでしまい、そこで生涯を終える。言葉を替えれば、寄生された虫は水中で生涯を終えたくなるのだろう。つまり、寄生主は寄生虫に誘導されたかのようにして水中に飛び込み、魚の餌になる。これを餌とする魚の腹に、何十匹ものもの寄生主が入っていた例が報告されている。

 この後のことは、この度の番組では報じていなかったが、次のように想像した。寄生主が鳥の腹の中に収められとハリガネムシは寄生主の外に出る。その腹の中で複数のハリガネムシと出会い、配偶者と出会い、産卵するのだろう。その卵は、その後の過程のどこかの時点で、糞に混じって外に出て、あちらこちらにばらまかれ、カマキリの腹に納まるようだ。

 問題は、ハリゲネムシに寄生された昆虫の立場だ。なぜ、水の中に飛び込むのか。まるで寄生中に誘導されたかのように行動するわけだが、ハリゲネムシはいかにして誘導するのか。何をもって操るのか、不思議だ。妻もとても不思議に思ったようだ。

 その証拠に、「ワタシ、何かに寄生されているのかしら」とつぶやいていた。

 妻にこう語らせた心境は、私にはとても良く分かった。それはこの8日木曜日にも、その語らせるにたる事件が生じていたからだ。

 エンドウの雪よけなるものをこしらえた日のことだ。それは、既製品のアーチとレースカーテン地などを用いてこしらえたのだが、「大型の挟み」も大量に要した。そこで所定の場所にとりに行ったが、なくなっていた。

 案の定、妻が(「花灯篭」のサービス時に要しており)用いたまま、喫茶店のどこかに置き忘れていたようだ。コキ(携帯用屋内電話機)で問い合わせると、私が「大型の挟み」とまで言ったところで、「ゴメンナサイ」との叫びが返ってきた。

 結婚来、口が酸っぱくなるほど「2人が共に用いるものは、所定の置き場所を決めよう」「所定の場所から、取り出すのは良い」「取り出した後は、必ず所定の場所に返そう」と言いつけてきた。ところが41年と8日間を経ていたこの日も、治っていなかったわけだ。

 もちろん、私のことだ。今日に至るまでに注意を繰り返し、だんだんエスカレートさせた。つまり「次に忘れたら、指を1本切り落としてはどうか。ならば直せる」「1本夜2本、いや10本で直せないと思うのなら、一節ずつ切ればどうか」など。この手が無効と知った時に、ちょうど世の中では遺伝子ブームだったので、「遺伝子が欠落しているのかもしれない。自覚しろ」と手を変えた。その時は相当怒らせてしまっている。

 でも、気にしていたのだろう。

 それで十分、無理して直すことはない、とまず思った。

 もちろん私は、性格を変えるのは難しい、と知っている。しかし、その気になれば直せることも知っている。それは、妻が一番よく知っている。それは、アパレル会社に移ってから、自己嫌悪したくなるほど私は性格を変えた部分があるからだ。

 
 
 

 

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