ワナにかからないように

 

 昨今の若者は気の毒だが、その半面では、実にうらやましい。なぜか。これから人間たるゆえんに目覚め易い時代に向かうのだから。もちろん、これまでの時代に固執したらジリ貧にされる。だが、新しい時代がイメージ出来たら、フロンティアが待ち構えており、やるべきことが次々と見えてくるのだから。

 結論を急げば、安倍政権は、このジリ貧に追い込める人を増やそうと画策している。そうと自覚できないでいると、武力戦争で特攻隊を編成したように、真面目に不真面目なことをさせようとしていたことを思い知らされるであろう。でも、この度は入れてもらう神社は、まだない。

 私がサラリーマンになったころは、高度経済成長時代の初期であり、誰しもが未来に夢を膨らませられた。それは、振り返ってみれば、誰しもが「三種の神器」に憧れるなど、画一化というレールに乗せられる類の夢(幸せであり、豊かさ)であった。つまり、「欲望の解放」に過ぎなかった。いわば「解放奴隷」の心境にされていたに過ぎなかった、といえる。

 結論を急げば、そのツケが、大きく見れば自然破壊であり、資源枯渇や人口爆発などだ。足元に視点を移せば、家庭崩壊であり、1000兆円もの国の借財だ。

 その点、今の若者はうらやましい。画一化というワナに、あるいは欲望の解放というワナにかかりたくてもかかりにくくなったのだから。つまり、画一化(用意された既製品の選り好み)や欲望の解放をワナとさえ気づけば、むしろまともに生きて行きやすくなった。端的に言えば、つぶす(つまり消費)の喜びに浸っておれず、創る喜びに宗旨替えせざるを得なくなり、人間たるゆえんに気付きやすい時代になった。

 もう1つ、今の若者がうらやましくなることがある。それは、やるべきことが山ほど用意されている、からだ。早急にさまざまな手を打つことを望むフロンティアが待ち構えている。

 たとえば衣・食・住。わが国のこの3つはいずれも惨憺たる状態だ。食料は自給率4割、と嘆かわしい。衣服は97%以上が輸入。住居もその多くは耐用年数が短く、欧米などのように幾世代にもわたって住まう住居を用意し来ておらず、潜在的廃棄物同然だ。すべて立て直す必要がある。

 わが国は、世界一の金満国であった時期があった。にもかかわらず、欧米のように未来世代をおもんばかった手を打ってこなかった。だから惨憺たる状態になっている。それはもちろん政治の貧困も嘆かわしいが、そうした政治を許してきた私たち有権者の責任も重大だ。このたびの選挙で、その悪しき姿を、総仕上げのごとくさらけ出すことだろう。これを最後にしたい。

 自民党は国民を善導せず、逆に時代錯誤を押し付けようとしている。私の目には、先の戦争で言えば、ミッドウェイの海戦どころかレイテ沖海戦の結果(連合艦隊壊滅)が見えたときに、その事実を国民に知らせず、むしろ隠そうとしながら、「この戦争しかない」とばかりに国民に迫り、国民から「一億玉砕」の賛同を取り付けようとしているかのように見える。

 問題は、その時は「欲しがりません勝つまでは」と、分かりやすかったが、今は違う。安倍政権は、ジャンジャン浪費することを勧めており、力(身体)ではなく心(精神)をむしばむ経済システムを生かしており、気付きにくい。

 それはともかく、リクチュール塾では、委員長としての意見を述べさせてもらった。カッコウよいことを言うようだが、衣服事情がこうなる事は自明であった、と過去の資料(未来予測が的中していたこと)を紐解きながら説明し、そのうえで新たな未来予測をした。その気になれば(依頼心を捨てて、自立を目指せば)夢にあふれた時代を迎えることを指摘した。

 真似はしょせん真似で終わると伝えたし、フローの生き方からストックの生き方に転換しなければいけないことも伝えた。目を輝かせて耳を傾けている若者もいた。アイトワ塾生で、聴講してもらえて人に「解りやすかった」と言ってもらえた。
 

 

 

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