「コントロール仕事」
 

 

 未花ちゃん一家を迎え入れ、新たに命名することにした一連の作業があります。「コントロール仕事」です。

 家族連れを迎え入れたわけですから、コミュニケーションがとても大事になると考えて、新語の創出を計画しています。その第一号です。

 まずこの庭でのヒメジオンとキツネノボタンのコントロールを計画しました。次々とヒメジオンが白い花を咲かせると、見つけしだい抜き去り、キツネノボタンは、花が終わったと見ると、抜き去ってもらうことにしたわけです。いわば「ヒメジオンのコントロール」「キツネノボタンのコントロール」作業です。次に、アザミをその対象に付け加えました。

 この庭の手入れで大変なことの1つは、このコントロールです。たとえば、落ち葉をかき去る部分と、マルチンのごとくに積み溜めておく部分のコントロールがありますが、これは序の口です。一番面倒なのは、野草を茂らせる部分と、抜き去る部分のコントロールです。一度抜き去ると決めたら、常時注意していないと、草の反撃(次の芽を出して実を結ぶ。その間隔が次第に短くなる)にさらされてしまいます。

 この庭では、主な種類の野草ごとに茂らせる部分を決めており、コントロールしてきました。ワラビやコゴミなどの食用と、夏虫の餌として必要と思われる野草の混植を、10数か所に分けて設けています。そこから野草の種がどうしても飛び出し(あるいは私たちが衣服に種を付けて持ち出し)てしまい、発芽しますから、コントロールは大変です。

 たとえばホトケノザ(タビラコ)やハマボウフウ(天草の牛から)のごとく、新たに持ち込んでおり、増やそうとしている野草もありますし、かつて持ち込み、もはやコントロールの対象になっているシュクコンソバやヒメオドリコソウのようなものもあります。

 もちろん苦労のかいあって、ほぼ思ったようにコントロールできているものもありますが、まだ未完成の種類や部分もあります。たとえば、アザミは、庭の随所で咲かせたいにもかかわらず、これ以上はびこらせたくない。そこで、花が終わり、花殻が乾いたところで(小鳥がついばんで種を散らかす前に)刈り取ることにして、この役目を哲範さんに頼んだわけです。

 コントロール仕事の対象には、もう1つのジャンルがあり、もっと大変です。それは虫のコントロールです。たとえばチョウチョウ。今、モンシロチョウのシーズンに入りました。その食害コントロールも哲範さんに頼みました。今年は(昨年は20本育てた)夏キャベツを、5本に減らしているとはいえ、モンシロチョウが次々とやってきて卵を産み付けていますから、このコントロールに携わるのは大変でしょう。このイモムシ捕りを小学生の私は引き受けたことがあります。結果、虫食いのキャベツにしてしまい、母をひどく悲しませています。

 要は「言うは易く、行うは難し」を実感し、一緒に棲むに値する人になってもらいたいのです。その努力の跡が(子どもの目にも)一番分かりやすい作業として、コントロールを取り上げたわけです。コントロール仕事の対象は、草や虫に留まらず、水など他にもテーマは数々あります。

 あえて言えば、文化とは、こうしたコントロールをいかに円滑にかつ楽しくできるようにするために考え出された生活の知恵、ないしはソフトウエア―と言ってよいのではないでしょうか。
 
 
 

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