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見えないモノと見えるモノ  08/06/01

ある謎解きのために訪れた美星町の旅、畑を夏姿に改める作業、そして友の余生を覗いた亀岡市の八木町での週末、これらが今週のハイライトでした。他に、次週初めの庭のグループ見学に備えて、庭掃除もしました。温室作業にも精を出しました。それぞれ綺麗になったのですが、少々無理をしたようで、週末は悲鳴を上げるほどの腰の痛さという、見えないモノに悩まされました。

美星町は岡山県井原市にあります。かつては映画『八墓村』や、TV大河ドラマ『武蔵』などの、今は次の大河ドラマ『坂の上の雲』のロケ地に選ばれています。天文観測地としても有名で、文字通りに美星が望めるところです。訪ねた日は雨曇りで、星空は無理でしたが、それがよかった。謎解きに訪れた作家のアトリエから、小雨に煙る光景を眺めましたが、とても幻想的でした。

翌日は快晴でした。「中世夢が原」というテーマパークがありました。とてもよくできた施設で、『武蔵』だけでなく『あづみ』の舞台にもなっていた訳が、よく分かりました。いっそのこと、ここに住み着く人をこしらえて、生活臭を添えたらもっとよくなるのに、と考えました。登り窯、藍染め、鍛冶屋、菜園などの設備がありました。実演に留めず、こうしたところに住み着いて、第二の人生を送りたい人をつのり、生き甲斐にしてもらっては、と考えたのです。

実は、この旅は昨年の秋に始まっていた、と言って過言ではありません。壬生寺に納められた仏画を、本堂で観たときの感動がきっかけです。その仏画は、友禅染の技法で描かれていますが、作家あだち幸さんのアトリエが美星町にあると知り、訪れたくなったのです。一泊旅行にしてよかった。彫刻家・平櫛田中の業績を忍ぶ田中美術館を再訪することが出来たからです。おかげで、美星町に誘われた訳をより深く理解できました。あだち幸さんは、目には見えないモノを仏画を通して視覚化するようです。私はそれに共鳴したわけだ、と納得したのです。

こうした納得から1週間が始まり、その後は水曜日の夕刻までかけて、囲炉裏場の整理をしています。これまでの剪定で出た梅や楓の幹や太い枝は薪に、細い枝葉は時間を掛けて燃やして灰に、枝葉をさばく過程で落ちた葉は夏野菜の畝のマルチング材に、とそれぞれ生かしました。この合間、合間に、菜園の夏野菜に支柱を立てる作業、温室仕事、除草などに当たっています。

畑はすっかり夏姿になりました。キュウリ、トウガラシ類、ツルムラサキ、そしてナスビに支柱を立て、トマトには支柱だけでなく、雨よけフレームも被せました。温室では、鉢植え植物の水やりだけでなく、肥料分のない鹿沼土で発根させた挿し芽の、ポットへの移植もしました。

25日(水)の夕刻から翌木曜日の昼前まで、梅雨入りを思わせるような雨でした。その間はデスクワークについたのですが、ズッキーニの花が咲き始めただけに、イライラしました。乾燥を好むズッキーニにも雨よけのフレームを被せておけばよかったのに、と反省です。また、雨が1日遅れで降り始めていたら、囲炉裏の灰を濡らさずにとれていたのに、と残念にも思っています。

木曜日の午後だけでなく、金曜日は朝から庭に出ました。いつまた雨が降り出さないとも限らない、と思ったからです。妻は常緑樹の落ち葉掃除、私は腰に違和感を覚えながら、ズッキーニにフレームを被せたり、ホウレンソウの収穫跡を耕したり、第2次のキュウリの苗を植えたりしただけでなく、雨が降らないのをいいことに、暗くなるまで草刈りをしたのです。

土曜日の朝は起きあがれないほどの腰痛でした。でも老舗仙太郎の社主を、2組の夫婦を伴って八木町に訪ねる約束がありました。鎮痛剤を飲み、傘を杖代わりに出かけました。その中の1人が、翌朝のTV番組に生出演することになり、そのテーマが「老舗」でした。4組の夫婦は、昼食を挟んで、見えないモノの大切さについて5時間も歓談しました。上機嫌で帰宅です。
 
あだち幸さんのお宅の庭に、サクランボがなる木がありました。小鳥が食べきれないほどの実が稔っていたのです。そこに私は、イメージしていた光景を見ました。我が家のサクランボの木も、やがてこうなることでしょう。今年は結局、1粒も私たちの口には入りませんでした。

夏姿に一変した畑。これまでは、支柱を要する夏野菜の成長具合を見計らい、順次支柱を立ててきました。このたびは、いずれ支柱を要することになる夏野菜の畝に、数時間掛けて、一時に支柱を立てました。この他に、支柱を要する作物は、ゴーヤなどまだ植える場所が決まっていない作物や、これから種をまく第3次のインゲンマメの畝などです。

夏キャベツ? 過日、収穫期を逸し、キャベツに薹を立てさせ、破裂させました。そのときに2本だけ結球していないのがありました。抜き去らずに様子を見ていたのですが、こんなに見事に結球しました。その畝は、すでにナスビの畝に仕立て直していました。ですから、ナスビの苗を日陰にしていた方を収穫し、食しました。炒めても、生食も、美味。ニンマリです。

楓の補修もしました。枝落としに失敗した部分を、深くえぐり取りました。少し時間を要するでしょうが、多分、肉がまいて、傷口をふさいでしまうことでしょう。文字通りの「深切」になることを願っているわけです。

畑のマルチング。切り取った梅の幹から、鉈(なた)で枝をはらい落とすときに落ちた葉を、かき集めて畑の畝に被せました。草が生えるのを抑制させながら、雨が降るたびに肥料分を溶け出させ、作物を太らせます。農作物を収穫した後は、畑に鋤込んでしまい、土壌改良に貢献させます。

老舗・仙太郎の中興の祖と見る友は、八木町に広い土地を得て、小豆や栗などをオーガニック栽培し、手作りの和菓子を作る仕事場を作っています。とても誠実な経営者です。今は早めに第一線を引き、仕事仲間の支えを得て、後継者が独り立ちする過程を見守っておられます。広い土地の一角に、趣味のスペースを設け、余生も楽しみ始められた様子を知り、なぜか安堵しました。

アメリカザイフリボクの実です。八木から戻った週末最後の収穫物。妻が1人でとりました。この3倍ほどなっています。短い期間に揃って熟れる実が、このくらい付くようになると、私たちの取り分が出来ます。半分は小鳥に譲るようにしています。小鳥を呼び寄せ、ついでに毛虫などを退治してもらうためです。果実を好む小鳥と、毛虫を好む小鳥は異なるかもしれませんが、賑わいは賑わいを呼ぶようです。
 

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