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名産地にめぐり合う 06/09/10

 風邪を押しての倉敷への旅で始まり、週の後半には緊張を要する出張が入っていましたので庭仕事には精を出せませんでした。この時期に1週間も家を空けますと草木の成長の凄さを思い知らされますし、中旬までには庭掃除を済ませたい事情も生じていますのに、風邪のせいか寸暇を惜しんで庭に飛び出すようなことをしていません。予期せぬ知らせや贈り物とか来訪もありましたが、悲しい訃報にも接した1週間でした。水曜日は、昼に熱い麺類を用意してもらったのですが、金曜日から猛暑がぶり返し、愛犬や私たちだけでなく庭の草木もうだっていました。

 倉敷市の児島で案内に立ってもらった知人と、その知人の友は、発刊されたばかりの専門雑誌で国産ジーンズの草分けとして紹介されていました。昼食は元塩田王の別宅、近衛文麿が「梅荘」と名付けた建物でうどんを食べ、午後は藍染、ジーンズ関連の企画、裁断、縫製そして直売所を訪ねただけでなく、お誂え部門やジーンズミュージアムなどの案内や、タコづくしの夕食にも付き合ってもらいました。タコづくしを賞味しながら、雲南で賞味したキノコづくしを思い出し、今年は名産地にめぐり合う当たり年かも、と考えています。

 海外旅行中に、久方ぶりの青年からカステラが、関東の友から分厚そうな書籍が、その中身を確かめぬままに飛び出した倉敷旅行の間に、ニュージーランドでお世話になった家族から来日の知らせが、そして関東からの悔しい訃報が届いていました。月曜日はメキシコからの留学生を迎え、火曜日はアイトワ塾を開き、水曜日は昼の天ぷらうどんを食しながら手持ちの風邪薬を飲み、庭で咲いたウコンの花や、雲南旅行で聞いた風邪薬に思いを馳せました。旅の末期に風邪を引き、母によく飲まされた風邪薬を思い出したのですが、「まだありますよ、うどん屋の風邪薬でしょう」と同道の府大の前学長に教えられました。「ボクはうどん屋の息子だ」とか。金曜日には大垣の友から電話がありました。近く講演で岐阜県を訪ねるようだと知って、その夜は空けておけ「皆で待ち構えている」との誘いでした。

 カステラを持参してもらった青年は、商社時代の今は亡き友の息子で、その父は小島に訪ねた国産ジーンズの草分けとはライバル関係にあった人です。だから、タイミングの不思議さにしばし思いを馳せました。訃報は、私たち夫婦にとっては宝物を創った人の急逝でした。母が存命中に恐る恐る受け入れた人ですが、1年にわたってわが家の生活を収録し、テレビの1時間番組に編集してくださった演出家です。途中で母が大腸癌で倒れ、放映日まで題名が決まらないほど編集は難航したと後日聞かされており、さまざまなエピソードを思い出しました。

 メキシコ青年の国を思う心に惹かれました。前夜、休塾中の友から、拙著『次の生き方』に目を留めた若者がいたから「訪ねるように勧めた」と知らされたのですが、とても爽やかな青年でした。建築の勉強をしていたようですが、植物に精通しなければいけない世紀だと気付き、日本への留学を思いついています。私はメキシコの首都を訪ねたことがあるのですが、同国の治世者は木を伐採したり空気を汚染したりしながらその場かぎりの繁栄に躍起、との印象を受けました。その陰で、こうした青年が気長かつ地道に国を立て直そうとしていたようです。

 出張や来客とかアイトワ塾を除いて、ほぼ活字と付き合う一週間になりました。コラム用原稿を2つ、2つの機関紙への寄稿、10日ほど先に迫った講演用原稿の仕上げ、そして数百枚のアンケートに目を通す作業でした。1年以上もかかりそうな仕事、100年先の人たちに「こんなことに希望をつないで努力を傾けていた人たちがいたのだ」と言ってもらえる企業のあり方を明文化する仕事にも取り組み始めています。大量消費や拝金主義に換わる時代の追求かもしれません。


庭で初めてウコンの花が咲きました。熱いうどんを食べながらスリランカ旅行のおりに買い入れた風邪薬を飲みましたが、その風邪薬にはウコンの粉がたくさん入っており、とても体が温まりました。その昔に、母が飲ませたうどん屋の風邪薬には何が入っていたのだろうか、と考えています。
このお2人にジーンズミュージアムを案内してもらいました。ミュージアムにはアメリカのリーバイストラウス社から贈られた相当数の収蔵品が陳列されていました。児島産地は、いまやアメリカにジーンズを輸出し、一定の地歩を固めており、その元気さを学びに私たちアイトワの仲間は行ったのですが、リーバイストラウス社の寛容さも学んだ気分です。
タコ尽くしの夕餉を賞味しました。タコの習性を生かした調理の仕方もさることながら、タコの卵やその生かし方にも感心しました。さまざまな料理のタコだけでたら腹になる体験は初めてでした。美味。ホテルに入った後もその余韻が残り、塾生と一室に集って創業者精神の尊さやこれからの社会のありようだけだなく、タコにも花を咲かせています。
雲南の麗江から北部のシャングリラはキノコの宝庫です。しかもそのシーズンでしたからキノコづくしの鍋を賞味しました。烏骨鶏やナツメのだし汁で、マツタケを含めた5種類のキノコを煮て食する鍋でした。キノコだけで堪能する食事は初めての体験でした。これも美味。

 

関東の友から届けてもらった上下に分かれた翻訳本です。読み耽りそうな気がします。ぼつぼつ太陽光線が弱まり、風呂を薪で焚く季節になりますから、風呂焚きを担当して火の前でジックリと読もうと考えています。
スペインに侵略されたときの弊害からメキシコ人の心に巣くっている病巣を見つめていた留学生。これが何かの始まりような気がしました。庭を案内したときに、檜林にあるオブジェを見てティオティワカンのピラミッドを思い出したようです。素朴はの画家フリーだ・カーロとその夫、壁画で有名なディエゴ・リベラも話題に上りました。

アイトワのテラスを飾る小旗が完成しました。これまでの日焼けした綿織物で作った旗(右)と違って、今回は友が3種類の絹の反物をくれましたから、1枚おきにツートーンカラーの旗を下げました。この友にとっては染色堅牢度の試験でもあるようです。
 

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